pickup

この記事では、群馬の観光地としても知名度の高い『富岡製糸場』に

ついてご紹介します。

『富岡製糸場』は、群馬に住んでいながら長年行けてなかったんです。

先日やっといく事ができました。

 

「富岡製糸場」と合わせて世界遺産に登録された「絹産業遺産群」は

全て訪れましたが、スケールはやはり一番大きかったです。

 

自分の足で訪れて見て体験した事で、それぞれ役割を持ちつつ

高品質な生糸の大量生産に貢献した事がよく理解できました。

「絹産業遺産群」は過去記事でもご紹介してます。

 

「富岡製糸場」に行きたいと考えていた人や知らなかった人の

参考になればと思います。

「富岡製糸場」はどんなところ?

富岡製糸場は、19世紀後半から20世紀の日本の養蚕・製糸分野における

世界との技術交流と技術革新を示した絹産業に大変貢献した製糸場です。

模範工場として設立されて、当時は最先端の工場でもありました。

 

「富岡製糸場」はフランスの技術導入から始まり、

日本独自の自動操糸機(じどうそうしき)の実用化まで

製糸の技術革新が絶え間なく行われてきました。

※自動操糸機は、簡単に言うと繭から生糸をつくれる機械の事です。

 

絹は、かつて一部の特権階級のものだったんです。

個人的にも偉い人が独占していたイメージがあります。

 

それを日本が開発した生糸の大量生産技術によって、世界中の人々に

絹を広めて、その生活や文化を更に豊かにものに変えていったんです。

 

富岡製糸場は、絹産業遺産群と蚕(かいこ)の優良品種の開発と普及、

蚕種(蚕の卵)の貯蔵契約、技術協力などを連携して世界に生糸を輸出して

自動操糸技術や近代蚕技術も伝えました。

まさに蚕産業(ようさんぎょう)の発展に貢献した所ですね。

 

富岡製糸場の基本情報です。

【住所】
〒370-2316 群馬県富岡市富岡1-1
【営業時間】
9:00~17:00 ※入場は16:30まで
※12月29日~31日が休場日
【見学料】
大人1,000円、高校・大学生250円、小・中学生150円
※20名以上の団体の方は団体予約ページから予約が必要です。

【最寄り駅】上州富岡駅が最寄り駅です。

富岡製糸場までは、徒歩約10分程です。

 

【駐車場】

富岡駅東駐車場という無料駐車場もありますが少し歩きます。

徒歩で富岡製糸場まで10分程です。

富岡製糸場へ車で行く方で、駐車場から少し歩いてもいいという方は、

無料駐車場に駐車する事をお勧めします。

費用もかからないですし、駐車場から昔ながらの街並みを見ながら

散歩できるので結構面白いと思います。

 

僕も昔ながらの街並みを見ながら富岡製糸場まで歩いて行きました。

古いお店が多いので、懐かしい雰囲気があります。

どこか台湾の風景にも似てると思いました。

 

近い所に車を駐車したい方は、富岡製糸場近くに有料駐車場もあります。

最初の30分は無料で、30分毎に100円です。

徒歩で約5分程で富岡製糸場まで行けますよ。

 

圧巻の木骨煉瓦造(もっこつれんがぞう)

何より圧巻なのが煉瓦(れんが)で建てられた富岡製糸場の木骨煉瓦造です。

※木骨煉瓦造(もっこつれんがぞう)は、木材で骨組みを作り、壁の仕上げに

煉瓦を用いる建築方法です。

 

実際に見ると「よく100年以上前にこんな建物を建てたな」と思いますね。

本当にすごいと思います。

 

使われた煉瓦は、日本人の瓦職人がフランス人技術者から

教わり焼き上げたそうです。

「フランス積み」という積み方で煉瓦が積まれています。

 

建物内に参考資料を見る事ができるのですが、煉瓦の積み方も

「イギリス積み」「ドイツ積み」「長手積み(ながてづみ)」などがあります。

色々な積み方があるというも知る事ができました。

知らない事だらけで勉強になりましたね。

 

「富岡製糸場」の関連映画&書籍

「富岡製糸場」を舞台にした関連映画と書籍をご紹介します。

 

まずは、映画です。

この映画は富岡製糸場のお土産コーナーに置いてあったのを見て

初めて知った映画でもあります。

紅い襷 ~富岡製糸場物語~

タイトルは『紅い襷 ~富岡製糸場物語~』という作品です。

 

内容は、富岡製糸場で働く女性『工女(こうじょ)』の姿を描いた映画です。

工女の事や富岡製糸場の事がよくわかる大変勉強になる

非常に良い映画でしたね。群馬県民であれば見た方がいいです。

 

映画の前半は特に学習のような構成になっているので

子供は飽きてしまうかもしれないです。

大人の方が楽しめる映画だと思います。

 

映画の大まかな内容はこんな感じです。

主人公の長野県松代区長の娘・横田英が富岡製糸場に

同郷の仲間と共に工女として入場します。

壮大なレンガ造りの建物とピカピカの機械といった

別世界の光景を目にします。

 

また、真撃に繭から糸を引く先輩工女の姿に刺激を受けます。

紅い襷を掛ける事が許されている一等工女を仲間と共に

目指すことを誓い頑張っていきます。

 

各地から技術習得工女として15歳~25歳の若い女性が

募集され技術を学びに富岡製糸場にやってきたわけです。

 

富岡製糸場に行く前にこの映画を見るとより理解が深まり面白いはずです。

行ったことのある人は、映画内で重なる部分が出てきて

また行ってみたい気持ちが芽生えるかもしれません。

 

富岡製糸場のお土産コーナーでも売っていますが、ネットで買う方が

安く購入できます。僕は、ネットで購入しました。

 

一等工女の「一等」とは?

聞きなれない一等工女の『一等』というのは、等級の事です。

開業した当初は、以下の4つの等級に分かれていました。

一等工女

二等工女

三等工女

等外工女

一等工女は工女達のあこがれでした。

高い技術を有しているのはもちろんのこと、赤い襷や高草履など

服装も特別で賃金も高収入になります。

 

お給料の目安だと等級によって、これだけの差がありました。

一等工女 25 円(現在で約50万円)

二等工女 18 円(現在で約36万円)

三等工女 12 円(現在で約24万円)

等外 9 円(現在で約18万円)

※参考までに当時の 1 円は、現在の約 2 万円です。

一等工女になれば、年収600万ですから中々のもんです。

お給料的にも憧れるのがわかりますね。

 

その後、等外上等および一等から七等の8つの等級に分かれています。

 

工女として覚えること

工女として最初に覚えるのが繭(まゆ)の選別です。

 

繭をしっかりと選別できるようになって、いよいよ

操糸所(そうしじょ)で操糸作業をする事ができます。

 

西洋式の新技術の習得に励んで、技術を修得した工女は

それぞれの地元で指導者として活躍しました。

 

富岡製糸場では、フランス人女性教師の住居『女工館(じょこうかん)』を

外観のみですが見る事ができます。

 

フランス人女性教師は、日本人工女に機械による糸取の技術を

教えるために雇われて女工館に住み込みしていたんです。

映画内でも片言の日本語を話すフランス人教師の方が出てきていました。

 

富岡製糸場の関連本

次は書籍の紹介です。

もっと「富岡製糸場」の事を知りたいという方にとって、

面白い書籍だと思います。

 

繭と絆 富岡製糸場ものがたり


製糸工場と聞くと女工哀史「あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史」のイメージを

持っている方もいるかもしれません。

「あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史」では、休憩時間が少なく長時間労働といった

過酷な労働条件を強いられた事が描かれています。

 

「繭と絆 富岡製糸場ものがたり」の小説では、

そんなイメージとは全く異なります。

家族の絆、友情、新しい技術を取り入れてイキイキと

頑張っている姿を描いた内容になっています。

 

登場人物は、富岡製糸場創業に携わった初代場長だった

尾高惇忠(おだか あつただ)と、その娘で最初の工女と

なった勇(ゆう)の親子が中心です。

富岡製糸場が創設された初期の5年間の様子が描かれています。

 

富岡日記


もっと工女(こうじょ)の事を知りたいという方に「富岡日記」

という本があります。

 

富岡伝習工女だった横田英(よこたえい)さんが明治40年(1907年)に書いた

回想録が本になったものです。

 

当時の工女たちの悩みや喜び、生活の様子などを知ることができます。

 

「富岡製糸場に到着した時の日記の抜粋」

一同送りの人々に付き添われまして富岡製糸場の御門前に

まいりましたときは、実に夢かと思います程驚きました。

生まれまして煉瓦造りの建物など、まれに錦絵位で見るばかり、

それを目前に見えますことでありますから、無理もなき事かと存じます。

 

「一等工女になった時の日記の抜粋」

何と申しましても国元(くにもと)に製糸工場がが建ちます事に

なっておりますからその目的なしにおる人々とは違います。

その中に一等工女(いっとうこうじょ)になる人があると

申し大評判でありまして、西洋人が手帳をもって中廻りの書生や

工女と色々話しておりますからなかなか心配でなりません。

そのうちある夜、取締役の鈴木さんへ呼び出されまして、

段々申し付けます。私共は実に心配で立ったり座ったり

致していますとその内に呼び出されました。

横田栄一(よこたえいいち)一等工女申付け候事(そうろうこと)と

申されました時は、嬉しさがこみあげまして涙がこぼれました。

一等工女になった際の日記は、嬉しさが伝わってきますね。

その時のリアルな感情が見れるのは、引き込まれます。

 

群馬県立世界遺産センター

お時間があれば「群馬県立世界遺産センター」をお勧めします。

 

「富岡製糸場と絹産業遺産群」について触れるにはもってこいの場所です。

しかも色々な資料や映像を入場料無料で見ることができます。

子供の社会見学にも最適です。大人でも普通に勉強になります。

 

電車で来られた方であれば、上州富岡駅のすぐ目の前にあって

富岡製糸場からは徒歩10分くらいの所にあります。

 

驚いたのが建物の奥に映画館のようなスクリーンがあった事です。

「富岡製糸場と絹産業遺産群」の紹介映像(10分程)を見ることができます。

 

まさかシアタールームがあるとはびっくりでした。

スクリーンの目の前に椅子があるので、映画館の一番前の席で見るような

感覚を味わえます。

さすがに映画館のスクリーンよりは小さいですが、椅子の距離が近いので

映像の中に引き込まれるような感覚になりますね。

 

「群馬県立世界遺産センター」は2階建ての建物です。

1階にシアタールームとボードの資料があって、

2階には色々な資料があります。

 

ボタンを押すと紹介映像が流れるものも多いので、子供でも理解しやすい

仕組みが多いように感じました。

ただ、内容は少し勉強ぽくなってしまうものが多いので、

退屈に思ってしまうかもしれません。

 

細かく見ようと思うと膨大な資料があるので、じっくり見だしたら数時間は

時間が経ってしまいます。

そんな大きくない建物でしたが、2時間程居座ってしまいました。

また行った際に細かく見たいですね。

 

この記事のまとめ

いかがだったでしょうか。

富岡製糸場についてご紹介しました。

 

「富岡製糸場と絹産業遺産群」を全て訪れた感想としては

規模や観光客も多い富岡製糸場は群を抜いてましたね。

 

養蚕の事や群馬の産業の歴史を知りたいという方は、

まずは伊勢崎市の田島弥平旧宅とか無料で見学できますし

見学者も少ないので訪れてみてはいかがでしょうか。

 

「富岡製糸場と絹産業遺産群」を訪れて歴史に触れた事で

群馬の絹産業の事が分かって勉強になりました。

興味が少しでも出た方は、是非一度訪れてみてください。

 

少しでも参考になったら嬉しいです。

 

おすすめの記事