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群馬の世界文化遺産と国指定史跡で「絹産業遺産群」の一つ

荒船風穴(あらふねふうけつ)に奥さんと行ってきました。

 

荒船風穴は「富岡製糸場と絹産業遺産群」の「絹産業遺産群」の一つです。

知らない方も多いのではないでしょうか。

僕も今まで知らなかったですし、今回初めて知りました。

 

読み方も「風穴」を「かぜあな」だと思ってましたが

正しくは、「ふうけつ」と読みます。

 

これまで国指定史跡で二つの「絹産業遺産群」を訪れた記事も

良かったらみてみてください。

・田島弥平旧宅(伊勢崎市)

・高山社(藤岡市)

 

この記事を読んで、荒船風穴の事が分かって

少しでも参考になればと思います。

荒船風穴(あらふねふうけつ)ってどんな所?

 

荒船風穴は、群馬県の下仁田にある世界文化遺産です。

 

明治38年に養蚕農家(ようさんのうか)の庭屋静太郎(にわや せいたろう)が

下仁田町南野牧字屋敷地区から流れ出る冷風を貯蔵庫に取り込み

『種紙(たねがみ)』を貯蔵するために作った施設です。

この当時、日本最大規模の貯蔵施設でした。

 

※種紙は蚕蛾(かいこが)が卵を産み付けた台紙の事です。

荒船風穴では、3基合わせて種紙を110万枚も収容可能だったんです。

かなりの枚数ですよね

氷点下の冷風を利用して絹の大衆化に貢献しました。

 

基本情報は、以下のとおりです。

【住所】
群馬県甘楽郡下仁田町大字南野牧10646
【見学料】
下仁田町外在住の大人の方  500円
下仁田町在住の方      無料
高校生以下         無料
【見学時間】
午前9時30分から午後4時まで
※入場の最終受付は午後3時30分
見学終了は午後4時00分です。
※営業期間は4月~11月となっています。

道は荒船風穴に近づくにつれて細くなっていくので

運転する際は気を付けてください。

 

駐車場はこんな感じです。

車から降りてみると気温の違いを感じますね。寒いです。

標高840mあるので、やっぱり気温が変わりますね。

 

暑い夏場に来ると涼しいはずなので、今度は夏場に来てみたいです。

夏場だと外気温上昇とともに冷風も強く流れます。

条件が揃うと冷風と外気の接触面に大量の白雲が見られるようです。

 

駐車場から荒船風穴まで直接車で行くことはできないです。

シャトルバスか歩いていくしかありません。

 

駐車場のある入口にはこんな看板があります。

歩く場合は往路15分、復路20分と入口の案内に書いてあります。

少し時間がかかります。

 

駐車場から定期的に荒船風穴まで無料のシャトルバスも出ています。

運行時間は午前9時30分~午後3時50分です。

 

看板をよく見ると「くまさんに注意!」の注意書きがあるじゃないですか。

荒船風穴の周辺でクマの目撃情報があったようです。

ちょっと怖いですね。

不安な方は、シャトルバスを待って行かれた方が良いと思います。

 

歩く場合、坂道が急なので少しきついかもしれません。

入口には木の杖の貸し出しもあります。坂の急さを予感させますね。

 

歩いて荒船風穴へ

僕らの場合、行きは駐車場から歩いて行きました。

荒船風穴まで約10分程かかったと思います。

奥さんはかなり疲れてましたが、良い気分転換になりました。

 

熊は確かに出そうな雰囲気はありますが、個人的に散歩するには

好きな道でしたね。

 

途中には、自然の冷風が発生している「冷風体験ポイント」もありました。

手をかざすと確かに冷たい風がひんやりと当たります。

歩かないと気づけないポイントだったので、歩いて良かったです。

 

ちなみに帰りはシャトルバスを利用しました。

車だと当然ですが徒歩と違って嘘のように楽ですね。

 

帰りの方が坂道が多いので、歩きたい場合は行きは歩きで

帰りはシャトルバスというのがいいかもしれません。

 

入口で入場料を支払うと世界遺産カードをもらえます。

世界遺産カードは、田島弥平旧宅(伊勢崎市)、高山社(藤岡市)でも

貰えたので、今だと訪れた際に貰えるようですね。

 

入場料を支払った後は、基本的に自由に見学できます。

荒船風穴にもガイドの方が3人くらい常駐していました。

今回は他の観光客の方の対応をしていたので、説明を聞く事が

できませんでしたが、空いていれば細かい説明をしてくれますよ。

 

1号~3号荒船風穴

荒船風穴は、想像していたより大きな所ではなかったです。

30分程あれば回れてしまいます。

ガイドの方に説明してもらう場合でも1時間程あれば

回れてしまうのではないかと思いました。

 

荒船風穴はこんな感じです。

基本構造は、地面に穴を掘り石を積み上げます。

それを覆う小屋を上部に建てます。

 

貯蔵庫は3層構造で石積み中の2層が蚕種貯蔵庫で、

窓はなく暗闇だったそうです。

最上層の究理室(きゅうりしつ)は、石積み上部になります。

究理室で蚕種貯蔵研究や蚕種順温出穴作業をしていました。

 

現在は小屋の部分はなくなり、写真のように石積み部分のみ見学できます。

石積みに隙間を設けることで、荒船山や妙義山から吹きおろす

冷気を取り込みます。

まさに天然の保冷庫ですね。

 

荒船風穴の石積みの近くに温度計がありました。

この時で1号風穴の風穴内部が4.5℃、外気温が9.9℃でした。

約5℃も温度が違っていましたね。

 

明治44年の風穴は、夏場でも内部は2℃前後を保っていたようです。

蚕種は23℃程度になると卵が孵化(ふか)してしまいますが、

温度を低く保てば孵化しないという特徴があります。

 

電気のない時代でも冷風を利用して低温度を保てるおかげで、

蚕種を夏に冬眠状態にします。

 

そして冬に取り出して暖かい家屋の中で育成させることで

それまで年一回しか飼育できなかった養蚕を年間を通じて

繭の採取を可能にすることができたわけです。

 

1号風穴が1905年に、2号が1908年、3号が1914年に造られました。

1929年に世界恐慌、1930年には金解禁で生糸輸出が停滞したり、

電気冷蔵の普及もあり役目を終える事になります。

 

時代の流れでしょうがない部分はありますね。

電気冷蔵がライバルになるのは、さすがにきついです。

 

下仁田の名産

下仁田に行った際には、是非有名なこんにゃくを食べてみてください。

弾力があって美味しいです。あとネギも有名ですね。

 

群馬の事を書いている"上毛かるた"の『ね』にはこう書かれています。

ねぎとこんにゃく 下仁田名産

上毛かるたは、群馬県民の中で知名度のかなり高いカルタです。

 

僕自身も、小学生の時に"上毛かるた"の練習したのを覚えてます。

ただ、全部の札は覚えてないです。細かい部分は正直忘れてしまいましたね。

札の中でも『ね』の言葉は印象的で今でも覚えている札の一つです。

 

名産と聞くと買ってみたくなりますよね。

こんにゃくもネギも道の駅などで売ってます。

 

荒船風穴からだと道の駅まで車を30分~40分は走らせる必要があります。

下仁田市内の方ですね。

【道の駅しもにた】
群馬県甘楽郡下仁田町馬山3766-11
物産販売館:8:30~18:00
定休日:第二火曜日

ここの道の駅は駐車場も大きいですし、おしゃれできれいな道の駅です。

道の駅は、お土産も売ってますが、新鮮な野菜や果物など

安く売っている事が多いです。

立ち寄った際は、何かしら買っていく事が多いですね。

訪れてみると結構面白いと思いますよ。

 

この記事のまとめ

いかがだったでしょうか。

群馬に住んでいますが、なかなか下仁田に行く機会はなかったので

今回訪れてみて非常に新鮮でした。

 

荒船風穴ですが、平成23年度から見学者の受け入れを開始してます。

10年目になる令和2年の8月22日に来場者数が10万人を達成したそうです。

 

この調子で知名度が上がって、少しでも見学に訪れる人が

増えてくれるといいですね。

 

少しでも参考になったら嬉しいです。

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